Vol.432 2025.7.8

音楽・美術の旅 メールニュース
 
Column

奇跡の生還から再び日本へ その3

 この多発性骨髄腫(Mielima)というジョヴァンニを蝕んでいた難病にありながら楽曲を病床で完成したという奇蹟を知った時の歓び、そして奇跡的にこの難病を乗り越えて再び舞台に戻ってきてくれたことへの歓喜、そしてこの楽曲を一部ながら日本で世界初演すると頑なに拘ったジョヴァンニの意志を知った時の感動は一入であった。

 4月になったばかりのある日ジョヴァンニより一通のメールが届く。内容は「イタリアの建国記念日(共和国記念日)に日本へ行く。大阪で開催される万博博覧会にイタリア代表として赴きコンサートを行うのでその折のアテンド、そして本番までの企画立てを手伝ってほしい」というものであった。そのような朗報を聞いて歓喜しないはずがない。

 病気が完治したことが伝わっていても、この一年を通して舞台でピアノに向かうジョヴァンニを実際見てきている。90分つづくコンサートの中で背中に痛みを抱えながら、ピアノに両手を置き幾度かストレッチ運動するアーティストを目の当たりにすると、次の日本への招へいはやはり慎重に考えなければならないと躊躇いが拭えない。来年か、はたまた再来年になるかとわたし自身決断できずにいた時に飛び込んできた何よりもうれしい誤算であった。

 しかし万博の本番まですでに2か月を切っている。宿泊や移動など自分たち日本での滞在時のことこそどうにでもなるのだが、万博事務局との事務事のやり取り、そして何よりも急務であり大変な作業だったのはプロオケで活躍するアーティストメンバーの招集と彼らの入場パスの申請であった。
 ジョヴァンニが世界初演を目論んでいる組曲のひとつ《Nostalgia》は、チェロのソロとそれを複数本の弦楽器がアンサンブル仕立てにより演奏される。弦楽アンサンブルによるチェロ組曲といったほうがわかり易いかもしれない。

 音楽事業で生きてきたこれまでの伝手を辿り、友人の手厚いアシストに助けられながら13名のプロオーケストラ団員に目星をつけて、コンサート前日(リハーサル)、本番当日の彼らの予定を押さえる、とまずそこからわたしの仕事がはじまっている。

 イタリアを代表して来日するアーティストが、それもイタリアの共和国記念日となる6月2日に万博の舞台へ上がるわけである。記念式典の一環として行われるコンサートは、場を納得させるレベルの演奏者を揃えなければならない。それを踏まえた上で、掛かってくる各々の経費を可能なだけ抑えなければならず、そのバランス取りも簡単ではなかった。弦楽器奏者を近畿や中部地方のアーティストで揃えながら、またリハーサルの会場のセッティングも我々すべての利便性など考慮しながら確実にしかし駆け足で進めて行くことになる。

大阪・関西万博でのジョヴァンニ・アレヴィ(Giovanni Allevi)

堂満尚樹(音楽ライター)
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【好評発売中】
音楽評論家加藤浩子と行く
秋のイタリア名門歌劇場&トスカーナ紀行9日間
2025年10月12日(日)~2025年10月20日(月)

フィレンツェに3連泊、ミラノにはゆとりの4連泊。移動を最小限に抑え、街の魅力をじっくり味わう旅程です。
魅力あふれるトスカーナの街、シエナやフィレンツェ、そして《リゴレット》の舞台としても知られるマントヴァ、ミラノなどの観光もお楽しみいただけます。
ミラノでは、ヴェルディが晩年を過ごした「音楽家の憩いの家」も訪れます。さらに、秋のイタリアならではの旬の味覚も堪能できるよう、お食事にもこだわりました。

【お知らせ】
第19回ショパン国際ピアノコンクール2025
受付中コース、残りわずかとなりました

5年に一度、世界が注目するショパン国際ピアノコンクール。
若き才能たちが渾身の音楽で挑む舞台。音楽の奇跡が生まれる瞬間を、現地ワルシャワで体感する特別な旅へ。

{ツアーラインナップ}
コース 出発日 日数 鑑賞ラウンド
A  10月1日(水) 7日間 1次予選(前半3日間)
B  10月1日(水) 9日間 1次予選(全日程)
C  10月4日(土) 9日間 1次予選(後半2日間)&2次予選(前半2日間)
D  10月7日(火) 8日間 2次予選(全日程)
E  10月9日(木) 8日間 2次予選(後半2日間)&3次予選(1日目)
F  10月11日(土) 8日間 3次予選(全日程)
H 10月17日(金) 8日間 本選(全日程)&入賞者コンサート
I  10月13日(月) 8日間 3次予選(2回)&本選(1回)
J  10月14日(火) 9日間 2次予選(後半2日間)&本選1回 

全9コース、多彩な日程と内容でご用意しました。
コンパクトな日程でコンクールの雰囲気を味わいたい方には、一次予選前半3日間のAコースが人気。
各予選を通しでじっくり鑑賞したい方には、B、D、Fコース。
複数ラウンドをバランスよく楽しめるC、Eコースは、いわば“いいとこ取り”のプランです。
“覇者の誕生”を予感させる高揚感が漂う三次予選以降は、I、Jコース、
本選すべてと入賞者コンサートを網羅したHコースは、クライマックスを逃したくない方に最適です。

​コンクールの流れと現地の空気を知り尽くした企画者が、観たいタイミング・旅のスタイルに合わせて設計した、充実のラインナップです。
コースによっては満席のものもございます。
詳しくはこちらよりご確認ください。

【お知らせ】
2025年8月~10月ツアー催行状況のご案内♪

7月8日現在のツアー催行状況です。お問い合わせお待ちしております。

◆【催行決定】8月14日出発 夏のバイロイト音楽の旅9日間
◆【催行決定】8月22日出発 ルツェルン~インスブルック~ザルツブルク12日間
◆【受付中】10月12日出発 音楽評論家加藤浩子と行く 秋のイタリア名門歌劇場&トスカーナ紀行9日間 
◆【残席わずか】10月1日出発 第19回 ショパン国際ピアノコンクール 2025【Aコース】《1次予選(前半3日間)》鑑賞7日間
◆【催行決定】10月1日出発 第19回 ショパン国際ピアノコンクール 2025【Bコース】《1次予選(全日程)》鑑賞9日間
◆【満席(お問い合わせください)】10月4日出発 第19回 ショパン国際ピアノコンクール 2025【Cコース】《1次予選(後半2日間)》&《2次予選(前半2日間)》鑑賞9日間
◆【お問い合わせください】10月7日出発 第19回 ショパン国際ピアノコンクール 2025【Dコース】《2次予選(全日程)》鑑賞8日間
◆【お問い合わせください】10月9日出発 第19回 ショパン国際ピアノコンクール 2025【Eコース】《2次予選(後半2日間)》鑑賞&《3次予選(1日目)》鑑賞8日間
◆【受付中】10月11日出発 第19回 ショパン国際ピアノコンクール 2025【Fコース】《3次予選(全日程)》鑑賞8日間
◆【お問い合わせください】10月13日出発 第19回 ショパン国際ピアノコンクール 2025【Iコース】《3次予選(2回)》&《本選(1回)》鑑賞8日間
◆【お問い合わせください】10月14日出発 第19回 ショパン国際ピアノコンクール 2025【Jコース】《3次予選(後半2日間)》&《本選(1回)》鑑賞9日間
◆【満席(お問い合わせください)】10月17日出発 第19回 ショパン国際ピアノコンクール 2025【Hコース】《本選(全日程)》&《入賞者コンサート》鑑賞8日間

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